腹部超音波1

患者:57歳 男性
既往歴:高血圧
喫煙歴:なし
現病歴:以前から健診で軽度肝障害を指摘されていた。
これまでビール1L/日を週2-3回程度であったが、1か月前からは連日飲酒していた。倦怠感を主訴に近医を受診し、ALT優位の肝障害を認め、精査目的に当院紹介受診。
アルコール性肝炎を疑い、血液検査および腹部超音波検査を施行。
動画1本、静止画2枚を示す。

〈血液検査データ〉 ()内は施設内基準値
 TP:6.1g/dL(6.6~8.1g/dL) Alb:3.5g/dL(4.1~5.1g/dL) AST:68U/L(13~30U/L)
ALT:119U/L(10~42U/L) ALP(IFCC):130U/L(38~113U/L) LD(IFCC):236U/L(124~222U/L)
γ GT:281U/L(13~64U/L) ChE:169U/L(240~486U/L) 血糖:138mg/dL(70~109mg/dL)
HbA1c:9.1%(4.9~6.0%) T-Bil:2.3mg/dL(0.4~1.5mg/dL) D-Bil:1.5mg/dL(0~0.4mg/dL) 
AMY:257U/L(37~125U/L)、P-AMY:98U/L(16~52U/L) WBC:6.5×10³/μL(3.3~8.6×10³/μL) 
PLT:202×10³/μL(158~348×10³/μL) RBC:4.2×10⁶/μL(4.4~5.6×10⁶/μL)

腹部超音波1(No16-17_1)

  腹部超音波1 動画1(No16-17_1)

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  腹部超音波画像 画像A画像B

設問16
超音波所見について正しいのはどれか。

① 膵臓のびまん性腫大を認め、膵周囲に液体貯留を認める。
② 膵頭部に充実性腫瘤像を認め、主膵管の数珠状拡張を認める。
③ 肝外胆管の拡張を認め、胆管内に音響陰影を伴う高エコー像を認める。
④ 主膵管の著明な拡張を認め、膵管内に音響陰影を伴う高エコー像を認める。
⑤ 膵頭部に低エコー腫瘤像を認め、拡張した膵管が腫瘤内を貫通するpenetrating duct signを認める。

設問17
超音波所見より考えられる疾患はどれか。

① 慢性膵炎
② 急性膵炎
③ 膵頭部癌
④ 総胆管結石
⑤ 腫瘤形成性膵炎